3月8日(金)、桂川町住民センターにて筑豊ブロック市町村社協連絡協議会公開講演会を開催し、80名が参加されました。
昨年、兵庫県で精神疾患を持つ長男を、両親が長年自宅で監禁するという事件が発覚しました。監禁は子の人権を踏みにじる行為であり許されることではありませんが、この事件の背景にあったものを紐解き、私たち一人ひとりがしっかり受け止めたうえで、誰もが安心して暮らせる地域づくりを目指していきたいと考えて企画しました。
講師には、日頃から障がいや精神疾患を持つ方々の支援に携わっていらっしゃる飯塚市・嘉麻市・桂川町障がい者相談支援センターの藤嶋勇治さんをお招きしました。
藤嶋さんは、三田市障害者虐待に係る対応検証委員会の検証報告書を引用しながら、父親の言動や行動から、監禁が始まった当時からの家族の苦悩や心の動きを話されました。また、障がい者を取り巻く法律の歴史や専門職でも疑問を抱かずスルーしてきた社会的風潮、支援者の人権意識の希薄さなど、「今だからこそ言えることかもしれないが」と、言葉を一つひとつ選びながら、話してくださいました。
相談を受け支援していく中で、「絶対にやってはいけないことはやってはいけない」という自分の中の正義をしっかり持ち、ご本人の思いややりたいこと、決めたことを実現できるように支援する。福祉サービスという限られた枠の中だけでなく、生活する場である地域というフィールドで、多くの方々が支える繋がりを作っていく。改めて、地域共生社会の実現に向けて、私たち一人ひとりが何をすべきなのかを考える機会となりました。