先日、ある相談者のご自宅に伺うと、駐車場に枝の低いイチジクの木がありました。イチジクの収穫時期は10月頃までと言われていますが、まだまだ、熟していない実もたくさんたくさんついていました。おうちの方に話を伺うと、亡くなった奥さんが手入れされていた木で、お子さんたちが小さい頃は、競い合うように実を取って食べていたそうです。
イチジクはどんな花が咲くのかな?と疑問に思い尋ねたところ、おうちの方も見たことがないと話されました。スマートフォンを使って一緒に調べると、花は実の中に隠れて咲くそうで、私達が食べているプチプチした部分は花嚢(かのう)といい、6月頃に花嚢の中で白い小花が咲くそうです。花が外側から見えない事から「無花果」の漢字があてられたようです。
イチジクは生命力が強いと信じられ、神話にも多く登場したり、1日に一つずつ実がなることから、一熟(いちじゅく)がイチジクと呼ばれるようになったなど、様々な諸説が書かれていました。
奥さんやお子さんたちとの思い出を振り返りながら、懐かしそうに、そして少し寂しそうに話される様子が、とても印象的でした。