今月の一冊

社協だより102号に掲載した今月の一冊を、このブログでもご紹介します(^^)♪

「人間の条件 そんなものない」
著者/立岩真也  出版社/㈱理論社
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この本は、嘉麻市市民後見人養成フォローアップ講座のなかで、「障がい者の権利擁護」を学ぶ講義において、講師のNPO法人ちくほう共学舎「虫の家」事務局長髙石伸人さんが紹介してくださった本の中の一冊です。講義の中で髙石さんが話された障がいを持った方と共に生きるということについて、もっと勉強しなければならないと感じ、読み始めました。
 できることは良いことだとされているがこれは本当なのか、という筆者の投げかけからスタートします。そして、できると得をすることがあるということ、できることが自分の価値であるということに対して、筆者の意見が述べられています。また、できる人は得をし、できない人は損をするということが決まりのようになっているが、それは正しいわけがないと強く主張されており、しかし私たちはそういう社会に生きているということが書かれています。読み進むにつれ、そのような社会を変えるべきだという筆者の強い思いが伝わり、これまで考えもせずに当たり前に思っていた日常や価値観について自分自身にも問いかけることができました。
 「社会はこういうものである」「自然はそうなっている」というところから考え直し、「本当にそうなのか」と問い続ける筆者のこだわりを持った考え方、一つひとつの物事に関する問題意識に感銘を受けるとともに、深く考えさせられる一冊でした。

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