嘉麻市社協だよりえがおNo.141今月の一冊で紹介した、「誰かボクに、食べものちょうだい」を紹介します。
地域で暮らしている子どもたちの中で、毎日十分なご飯を食べられない子がいるという話を以前聞いたことがありました。どのような本を読もうかと考えている時に、インパクトのあるこの本のタイトルが目に入り、「子どもたちがどのような生活をしているのか知りたい」との思いで読んでみることにしました。
この本は子どもたちの貧困について取り上げています。ゆっくりでもいいから困難な状況に対する解決策を一緒に考えて、助け合える社会を目指していこうという著者の思いが書かれています。また、保育現場や学校、施設などで過ごす子どもたちの置かれている環境について、実際の出来事をもとに分かりやすく描かれています。
「親なんかいらない」などと行き場のない想いを抱える子や「この学校の生徒会は私に生きる勇気を与えてくれた」と自分なりに生きる意味を見つけて生活している子達の声も掲載されており、普段聞くことができない子どもたちの本音を知ることができました。
医療保障や食生活、生活環境など解決すべき課題は様々です。貧しさによって、夢や意欲を奪われ、格差が広がっていくことも考えられます。
困難な生活状況は個人の責任と抱え込むのではなく、社会全体で支えあって解決していく姿勢が求められており、貧困の連鎖を断ち切るためには人と人との「つながり」が大切なのだとこの本を読んで感じました。