嘉麻市社協設立10周年記念式典第2部では、フリースペースたまりば理事長 西野博之さんに記念講演をしていただきました。
西野さんは、1986年より不登校児童、生徒や高校中退した若者の居場所づくりに関わられています。また、1991年に川崎市高津区にフリースペースたまりばを開設され、不登校児童、生徒やひきこもり傾向にある若者たち、さまざまな障がいをもつ人たちと共に地域で育ちあう活動をされています。
「生きているだけですごいんだ~居場所のちから~」をテーマに、30年にわたる活動の中で感じられたことをお話しいただきました。
まず、大人が感じている不安から子どもや若者が生きづらさを感じていることや失敗から学ぶことがたくさんあるのに、大人が先回りすることで失敗させる経験を奪っていることなど、子どもや若者を取り巻く環境について鋭く指摘されました。
また、子どもが「大丈夫」と思えるように安心の種をまくことが大切であり、不登校やひきこもりが悪いというネガティブな発想から脱却し、子どもたちが「ひきこもっていた時間は意味があった」と思えるように見守り、受け入れることを、一番苦しい思いを抱えているのは誰なのかを考え、「善意」の押しつけにならないように寄り添う支援が必要だとも話されました。
参加された方からは、「これからの地域での活動を考えるきっかけになった」「ひきこもりや不登校の子どもたちに関する考え方が変わった」という感想がありました。
この講演で、西野さんから貴重なお話を伺い、不登校やひきこもりに関して、地域のみなさんのあたたかい目線が求められていること、子どもから大人まで、だれもが集まれる居場所が地域には必要であること、助けてや困ったが言えない方たちに出会うことや居場所を作ることの大切さを学ぶことができました。
今年度は、かまひきこもり相談支援センターができ、少しずつ相談件数も増えてきています。
これからも地域のみなさんと一緒にだれもが安心して暮らせる嘉麻市を考えていきたいと感じました。