ありのままを生きる

社協だよりNo.109に掲載している『今月の一冊』をご紹介します。
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ありのままを生きる 〜障害と子どもの世界観〜
著者/浜田寿美男
出版社/岩波書店

この本は、まず最初に著者が勤務する大学のゼミで出会った、たかし君のことについて描かれています。自閉症のたかし君は、ゼミが始まる前に必ず出席簿とボールペンを用意して、やってくる学生一人ひとりに「サイフ見せて下さい」と言うなど、いろんなこだわりがあり、初めはみんな戸惑います。しかし長く付き合いなじんでくると、彼なしではゼミが成り立たないような気になってきます。
著者はこの出会いから、自閉症をもつたかし君を「障害」「個性」と呼ぶのではなく、「文化」として捉えることができないかと投げかけ、豊かな異文化接触について考察されます。文化には優劣等なく、対等で、それぞれの生きるかたちをみんなが認め合えば交歓の世界をつくりあげることができるという内容を読み進めていくと、とても明るく前向きな気持ちになり、「こんな世界になったらいいな」と心惹かれました。そして、本来、多様な生きるかたちの交歓がうまれるはずの学校では、障害をもつ子のクラスを分けるなど、異文化の接触ができないような環境にあることを問題視されており、学校という場の意味を考えなければならないと感じました。
また、「ありのままを生きる」とは、丸裸で生きることではなく、その人のありのままにふさわしい生活世界がその人を囲んでいるということが書かれています。その言葉から、私が毎日生活している世界はどうなのか見つめなおすことができました。「ありのままを生きる」という言葉自体はよく聞きますが、このことの意味を改めて深く考えることができた一冊です。

協力会員募集

本会では、日常生活のちょっとした困りごとを協力会員として登録した市民の方が解決する地域支えあい事業を行っています。
「腰が痛くて、今までできていた庭の手入れができなくなった」
「外出したいけど、一人ではできない」
などの相談が増えていて、困っている方がいらっしゃいます。
サービスの内容は下記の通りです。現在、協力していただける方を募集していますので、関心のある方はご連絡ください。
嘉麻市社会福祉協議会 0948-42-0751

★快適日常サービス
ペットの散歩、庭木の水やり、電球の交換、話し相手、荷物の移動、ごみ出し、公共料金等の支払い代行、代読、声かけ訪問、給油(灯油)など
250円/30分 500円/1時間
★快適専門サービス
家屋の小修繕、庭木の剪定、訪問理・美容、衣類の補修、害虫駆除、パソコン指導、草とり、代筆、草刈りなど
400円/30分 800円/1時間 草刈り利用の場合(機械) 1時間 1,500円/1時間
★いきいき介護サービス
食事の介助、洗髪・身体の清拭、入浴介助、排泄介助(おむつ交換)、体位の変換、外出時の付き添い、一時預かりなど
350円/30分 700円/1時間 一時預かり利用の場合 1時間 600円/1時間
★いきいき家事サービス
食事の準備、衣類の洗濯・補修、住居などの掃除・整理整頓、生活必需品などの買い物、など
800円/1時間 
★すくすく育児サービス
育児相談、産前産後の手伝い、家事援助など
400円/30分 800円/1時間
★車による外出支援サービス
入退院・転院、施設の移動、買物、通院、本人同行による薬とり、公共機関等の利用など
400円/30分 800円/1時間
★外出時の付き添いサービス
散歩、買物、観劇、冠婚葬祭、入退院・転院、通院、公共機関等の利用など
250円/30分 500円/1時間

交流拠点づくり

今日は、碓井地区の交流拠点づくりの活動日ということで、Bさん宅にお邪魔して、協力者のCさんを交えて、これからのことについて話をしました。
誰もがふらっと立ち寄れて、お茶を飲んで、ゆっくりおしゃべりもできる場所にしたい、立ち寄る人が趣味や特技などを持ち寄れば、新たな活動にも広がるのではないかといったアイデアも出ました。また多くの人に来てもらいやすい場所にしていくための仕掛けとして、時々昔の映画を上映してもいいのではないか、パン作りを習って、ここで実際に作れば、匂いに誘われて、立ち寄る人もいるのではないかといった話もありました。
これから少しずつ、参加者の輪を広げながら、みなさんのアイデア満載のオリジナルの交流拠点づくりができればいいなと思っています。

懐かしの赤電話

碓井地区の住民Bさんから、近くの人がふらっと気軽に立ち寄れる交流拠点を作りたいという相談があり、少しずつ開設に向けた準備を進めています。
その方のお宅は、昔は個人商店を営まれていたということで、その店舗部分を使用できるように、協力者も募って、まず片付けから始めました。
明日もその続きを行うことになり、今日はその事前の打ち合わせに行ってきました。
Bさんの友人の方が遊びに来られていたため、室内に上がって、一緒に話をしているうちに見つけたのが、ダイヤル式赤電話です。
これは公衆電話として、実際に店先で大活躍していたものですが、今では、外国のコインを入れる貯金箱になっているそうです。
懐かしさのあまり、思わず写真を撮らせていただきました。
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在宅介護者の集い

Aさんは、長い間在宅で、母親の介護を続けてこられました。しかし昨年、お母さまの体調が悪化して医療機関に入院されました。Aさんはそれ以降も毎日病院へ通い続けていらっしゃいます。
先日そのAさんと街で、偶然会いました。Aさんは、私を見つけると「ちょっと聞いて!」と近づいてきてくださいました。
お母さまが7か月ぶりに自分の意志で口から食事をとることができたのだそうです。Aさんは、今度の在宅介護者の集いでみんなに話すのが楽しみだと話されていました。
在宅介護者の集いは、毎月第二木曜日に開催しています。お茶を飲みながら、それぞれの介護の近況を話したり、相談しあったりしています。Aさんが話されたように、つらいことを分かち合ったり、うれしいできごとを共有できる機会にもなっています。
次回は、3月12日(木)午後1時から山田ふれあいハウス会議室で開催する予定です。
ぜひ、在宅介護者の支えあいの輪に加わっていただければと思っていますので、関心のある方は、お気軽に下記までお問合せください。

お問合わせ先  嘉麻市社会福祉協議会  0948-42-0751

ひなまつり

3月3日、今日は桃の節句です。
「ひな人形を飾ったよ」と市民の方からお声かけいただき、ちょこっとおじゃましました(^O^)
とっても立派です。
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趣味でさげもん等を作られている方で、たくさんのきれいな飾りで楽しませてもらいました。
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小物もとっても可愛いです。
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天気が悪く寒い一日でしたが、雛祭りの飾りを見せてもらい、外では梅の花も見かけ、春を感じました(*^_^*)
暖かくなる日が待ち遠しいです♪

広報紙えがおNo109発行

社協だよりえがおNO109を発行しました。
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下記アドレスからダウンロードできますので、ぜひご覧ください。
http://kama.syakyo.com/kouhou.htm

表紙・10年間ありがとう~稲築東小学校2分の一成人式~
p2・・ひきこもり勉強会・親の会が思いを語る・・成年後見制度Q&A
p3・・飯塚市・嘉麻市・桂川町社協公開講演会・地域で支え合う仕組みづくり口春福祉部・メンタルヘルス研修
p4・・寄稿「他者の痛みに共感するということ」
p5・・ブログ紹介、今月のえがお、社協だよりクイズ
p6・若者世代のサポーターと共に・ボランティア募集情報
p7・・・今月の一冊・炭鉱の記憶
p8~9・・・地域支えあい事業ご案内、かまっぴ合併号・指定葬祭場紹介、寄付・香典返し、会員会費のお礼・3月の総合相談
p10・・・ふるさとへの手紙、コラム交差点、編集後記

障がい児日中一時支援事業のご案内

本会では、障がいをもつ子どもたちが、学校の放課後や長期休暇期間を充実して過ごせる場を提供しています。現在、34名の子どもたちが利用していて、季節の行事やボランティアとのふれあいをつうじて楽しい時間を過ごしています。月に2回行っている『音楽の時間』では、講師の先生と歌ったり楽器を鳴らしてリズムにのったりしています♪
利用に際しては、事前の見学もできますので、お気軽にご相談ください。

★利用できるのは・・・18歳未満の児童で、嘉麻市、飯塚市、桂川町の地域生活支援事業の利用決定を受けた方です。
★利用場所は・・・本会の事業所は2ヵ所にありますので、ご都合に合わせてどちらも利用することができます。
・嘉麻北日中一時支援事業所 嘉麻市鴨生339-8(嘉穂特別支援学校横)
・嘉麻南日中一時支援事業所 嘉麻市上山田502-6(山田ふれあいハウス内)
★利用できる日時は・・・以下の時間帯の中で利用することができます。
・月曜日から金曜日⇒15時から19時まで
・土曜日、祝日、長期休暇期間⇒8時30分から17時まで(事前にご連絡いただければ、朝8時から、夕方は18時まで利用可能です。)
★利用料金は・・・1回につき122円~567円で、障がい区分や利用時間により異なります。(生活保護世帯の方は無料です)
★その他・・・本会独自のサービスとして
・おやつの提供⇒希望に応じて1日1回100円
・事業所までの送迎⇒距離に応じて100円~300円(利用に際しての送迎は、原則としてご家族が行うことになっています。しかし、それができない方につていは、平日のみ、市内の学校やスクールバスの停留所までお迎えに行っています)

利用についてなど、お気軽にお問い合わせください(^O^)
お問い合わせ先 嘉麻市社会福祉協議会 ☎0948-42-0751「

今月の一冊

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この本は、長い間、発達障害に関わってきた2人の精神科医 石川憲彦さんと高岡健さんの対談で構成されています。
お二人は、発達障害ブームとも言える昨今の流れに疑問を抱いておられ、本人の希望とは異なる他者の求める進歩や発達のために、診断と治療を押し付けられている現状が詳しく書かれています。
どんな人でも発達障害だとカウントすることができる時代であることや、発達障害について、脳の異常と判断できるわけではなく、肯定的に受け止めるまなざしや多様性に尊重するゆとりを学校や社会が失っているため、増加傾向にあると感じられているだけであると述べられています。
次に、薬を使わない治療法に触れ、石川さんは、子どもが騒いで眠れないという保護者がいたら、子どもに睡眠薬を飲ませるのではなく、親のほうに飲ませるのが基本だと言います。また、「ほとんどの投薬は、病気に効くのではなく、生活上の必要悪である」と語り、薬を処分する問題点にも触れられています。「毒になるから使わないほうがいい化学物質をあえて使うためには相当の理由がいる」という言葉には衝撃がありました。
また、不登校については、かつては、背景にいろいろな病気があるとされて、病気を治療することで解決していこうという発想があり、それを発達障害と結び付けていたそうです。けれど、それは間違っていて、自分で自分を取り戻すためのとても価値ある生き方であることが書かれています。ひきこもり支援事業を担当している私にとって、とても勉強になりました。
障害を異質なものとして分けて「私がこの子を理解してあげなければ」と考えるのではなく、「この子と一緒にいると面白いな」「こうすれば伝わりやすいな」と当たり前のように接していけるような環境が大事であり、そういう見方を周囲の方たちがしてくれるかどうかによって、本人の生きやすさは変わってくることを強く感じた一冊でした。(きはら)