体調を崩して入院中のAさんは、振り込まれている年金を、口座引落用の通帳に移すことができず、ライフラインが止まり、また、車検費用を貯めることができず、車に乗ることができません。退院したばかりだったのに、1カ月も経たずに栄養失調で再入院になったそうです。
自宅での生活に向けて不安に思っていることを尋ねると、お金のことを挙げられましたが、人に頼ることもしたくないと、悩んでおられます。うまくいかないかもしれないけれど、自分の力でやってみたいと希望を話されました。
周りが思う心配と本人が考える心配は、必ずしも一致せず、解決の方法も1つではありません。Aさんの思いを尊重しながら、困った時に頼ってもらえる関係づくりから始めたいと思います。
カテゴリー: 地域係
変化
先日、消費者金融からの借金があり、光熱水費等の料金を滞納し、ここ数日間はカップ麺しか食べていないという方に出会いました。同居している高齢の父親は、徐々に足取りが悪くなり、記憶や時間の感覚も曖昧になり、息子さんもどうしたらいいのかわからない状態になって相談を受けました。
まずは、父親の体調を整えるため、一旦入院することになりました。急な環境の変化に戸惑った様子が忘れられず、今日は病院に会いに行きました。
入院して10日間が経過しましたが、バランスのとれた食事を食べることができるようになり、足取りもしっかりされていました。
笑顔で「元気になってるよ」と話され、とても安心しました。退院後の生活についても、関係機関を交えながら一緒に考えていきたいと思います。
第5回稲築地区福祉推進員定例会
12月1日(日)、稲築住民センターで稲築地区福祉推進員定例会を開催し19名の福祉推進員さんが参加しました。
最初に地域福祉部の取り組みについて報告し合った後に、事務局から協議体全体会の報告を行いました。
また、1月に行う予定のブロック別の懇談会の日程を決めました。懇談会では、各ブロック毎の課題や取り組みについてみなさんで意見交換ができたらと思っています。
あたり前のことを一生懸命に
11月30日、なかまハーモニーホールで開催された、第19回福岡県ねんりんスポーツ・文化祭に職員7名で参加しました。
式典では、高齢者のスポーツ・文化に関する表彰があり、その後、記念講演がありました。
記念講演では、「苦しみを笑いに変えた野球人生」と題して、プロ野球解説者の達川光男さんによる講演がありました。
達川さんが現役の時に大切にしていたのは、あたり前のことをあたり前にやるのではなく、あたり前のことを人には真似できないほど一生懸命にやるという意味の「凡事徹底」と、「礼儀は鎧、礼儀は人を守る」という言葉で、このことは、仕事にも通じるものがあり印象に残りました。
軽快なトークに引き込まれ、あっという間に時間が過ぎていきました。
12月の総合相談
12月の総合相談をご案内します。
●法律相談(予約が必要です。先着順となりっていますのでお早めにお申し込みください)
12月5日(木)13時~16時 山田ふれあいハウス
●心配ごと相談(会場は、いずれも稲築住民センターです)
12月11日(水)13時~15時
12月25日(水)13時~15時
修学旅行に
市内では、修学旅行の時期を迎えている中学校が多いそうで、今日お伺いしたお宅の息子さんも、来週から京都、奈良などを回るそうです。お友達との楽しい旅行にワクワクしている様子が伝わってきました。インフルエンザにかかった方もおられます。くれぐれも身体に気をつけて、楽しい思い出をつくってほしいです。
笹原女子会の第1回目が開催されました
先日、笹原公民館で、笹原女子会の第1回目が開催されると聞きおじゃましました。
笹原行政区で第2層協議体の嘉麻い隊うすいを行った時に、メンバーから「人が集まる機会が減ってきた。公民館に集まって、体操や健康の話をしたい」との声から、笹原女子会が発足しました。
この日は嘉麻市の高齢者相談支援センターの出前講座が行われ、勝野歯科衛生士から話を聞き、お口の体操をしました。
参加者からは「お口のことや歯のことを聞いてよかった」「もっと多くの人に参加して欲しい」などの声が聞かれました。
次回は、12月6日に笹原公民館で開催されます。興味がある方は参加してみませんか?
嘉麻市認知症家族の集い「こころ音の会」 11月
11月23日(土)、山田ふれあいハウスにて認知症家族の集い「こころ音(ね)の会」を開催し、3名が参加しました。
前回おやすみされていたBさんに近況を聞くと、最近、奥さんがストーブの付け方がわからなくなってきたと話されました。5年前から使っているにも関わらず、「新しく買ってきたものだから使い方がわからない」といつも言われるそうです。ストーブは使い方を誤ると火事になる恐れがあるため、エアコンを使うようになったと話されました。今後は、認知症の進行が進むと考えられるため、日常生活で使用するものを少しずつ安全なものに変えていこうと思っているそうです。
嘉麻市認知症家族の集い「こころ音の会」は認知症の方を介護しているご家族が集まり、今抱えている悩みや不安を話して、解決に向けてお互い考えていく場です。事前申し込みは必要ありません。お菓子やお茶を飲みながら、お話してみませんか。
リーガルサポート福岡20周年記念シンポジウムに参加
公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート福岡支部が開催した20周年記念シンポジウム「地域における成年後見制度〜20年のあゆみとこれから〜」に参加しました。
はじめに司法書士の藤江美保さんが、成年後見制度の改正を振り返りながら、会設立前からのリーガルサポート福岡の活動について話されました。
本人を中心としたチーム支援やどのような状況であっても本人が決定できるようなサポートが大切であることを共有しました。
次に、厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課 成年後見制度利用促進室 成年後見制度利用促進専門官の川端信子さんが、地域連携ネットワークと中核機関(成年後見制度利用促進の取り組み)について、説明されました。
成年後見制度を利用する側と、支援する側が考える制度の必要性と利用促進の課題について触れられ、「権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり」の大切さについて話されました。中核機関や協議会の役割を学び、行政や社協、地域に求められているものが何なのかを、学ぶことができました。
最後のパネルディスカッションでは、弁護士会、社会福祉士会、司法書士会、行政、社協の方々が、それぞれが所属する活動の現状報告や課題等について話されました。
寄り添うとは
1ヶ月以上前に、負債があり生活が苦しいと相談に来たAさん。課題を整理した上で、分割での借金返済や支出の見直しなど、Aさんの生活を維持しながら、お金を借りず解決できる方法を提案しましたが、Aさんが納得できる方法ではなく、連絡のつかない日々が続いていました。
そのAさんが、疲弊した様子で来所されました。金策に奔走したそうですがうまくいかず、途方にくれたそうです。Aさんがどんな1ヶ月を過ごし、どんな思いで訪ねてきてくれたのか、想像することしかできませんでした。
私たちは、相談者の話を聞くなかで、課題を明らかにするために、時には言いづらいことも言葉にしなければならないことがあります。相談者の言う通りに動くことが、受容することではないと感じた相談でした。