ひきこもりの家族支援について考える

 6月24日(木)、福岡県精神保健福祉センターが主催した「ひきこもり支援関係者研修会」のオンライン研修会に参加しました。オンラインでの開催であったため、会場29名・ウェブ220名と多くの方が参加されていました。
 はじめに、福岡県精神保健福祉センターから「福岡県のひきこもり対策」についての説明がありました。令和2年度から3年間、集中的に厚生労働省就職氷河期世代活躍プログラムが進められ、「相談窓口の明確化・周知」「支援対象者の実態やニーズの把握」「市町村プラットフォームの設置・運営」に取り組んでいくとのことで、相談窓口が明確化され、広く知れ渡れば、悩んでいる方々が相談しやすくなり、実態が分かることで取り組むべき方向性がつきやすいのではないかと思いました。
 次に、山口大学大学院医学系研究科教授で、NPO法人ふらっとコミュニティ理事長の山根俊恵さんから、ひきこもり支援に携わってきた経験に基づいた家族支援の在り方について話があり、「ひきこもりは病気ではなく現象であること。本人の生きづらさを理解しなければ心は閉ざされるため、まずは家族と支援者が傷ついた心の手当をし、自尊感情を高める支援が必要である」と話されました。支援者として、決して解決を焦らないことが大切であり、生きづらさやひきこもらざるを得なかった気持ちを理解しなければ、支援方法を間違ってしまうという話がとても印象的でした。私たちは、ついつい支援を焦ってしまうことがありがちですが、本人の思いを一番に考えなければうまくいかないと改めて学びました。
 今回の研修を通して学んだことや山根モデルを参考にしながら、かまひきこもり相談支援センターの取り組みを見直し、本人や家族の方々が相談しやすい環境づくりを行っていきたいと思います。