夢を語ると

今日は、ある調査のために、関係者以外は通行止めの道路を抜け、夜峰山の登山道を走り北側の地区に伺いました。

ここは、日頃見ている夜峰山の裏側になるところで、先月の豪雨による水害が最も大きかった所です。

路肩が緩んでいる所、今にも大きな岩が落ちてきそうな所を抜けながらの道中。また、初めて見る土砂災害の源の山の荒々しさに度肝を抜かれました。

大木が小枝に様に、岩石が小岩に様に流れ落ち、川の流れを変えてしまうほどに積もっており、どちらが道でどちらが川なのかわからない箇所もありました。

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現地に着き調査の依頼主の方のお話を伺ったのですが、被害の甚大さとは裏腹に将来に向けての前向きな計画や構想を語られる力強い口調に聴き入ってしまいました。

「現実は起きてしまったこと。希望や夢を語ることで力が湧き楽しくなってくる。だから、今がやれている。もっともっと、夢を見て語りたい。」という言葉には、「南阿蘇の人は決して負けていませんよ」のメッセージが込められているように思います。

「支援」などと簡単に口にする私のおこがましさが、いとも簡単にさらけ出された思いでした。

帰りの車窓から眺める夜峰山は、そんな私を笑っている様にも、また「お前も負けるな」と励ましてくれている様にも映りました。

 

南阿蘇村支援竹田ベースキャンプ83日目

7月19日、今日は朝から日差しが強く、とても暑い1日となりましたが、13名のボランティアさん(竹田ベースキャンプ5名)が活動されました。

本会の職員は、立野地区と赤瀬地区の調査を行いました。

どちらの地区からも、先日の大雨による土砂崩れで家の周りに蓄積した土砂を取り除いて欲しいというニーズが上がってきました。

赤瀬地区の住民の方にお話を伺うと、「早くここに戻りたいけど、少しでも雨が降ると怖い。」と話されていました。

梅雨明けが発表されましたが、地盤が緩んでいるため、少しの雨でも土砂崩れが心配されます。これ以上、土砂崩れによる被害が広がらないことを願っています。

 

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立野サテライト再開へ

大雨による土砂災害が発生し、立ち入りができなかった立野地区へ続く道路が復旧したので、ボランティア活動を再開するために、今日(7月29日)、現地調査を行いました。

山あいの集落は、多数の家屋に室内、室外を問わずに大量の土砂が流れ込み、その光景に言葉を失うほどでした。

国道沿いで飲食店を営む自宅兼店舗を訪問した時に、ご主人が店先の植木の手入れをしているところでした。挨拶を交わし、敷地内を見せていただいたところ、道路側はご自分で片付けられており、「側面もやろうとしたけど、一人じゃ無理やった。」とスコップが無造作に置きっぱなしの状態でした。

「水が出るようになって、この道路が開通したら、また、店をやりたいので力を貸して欲しい。ここだけを手伝ってもらったら、あとは自分でやれるので…」と、作業を中断した10平方メートルほどの敷地を指差されました。

さらに「俺たちが元気を出さないかん。負けられんけんね」という言葉に胸が熱くなる思いでした。

その後数件の調査を終えて、ボランティアセンターに戻り再開に向けての協議を行い、取り急ぎ23日に優先順位をつけて活動を行うことになりました。道幅が狭く軽トラックしか入れないところが多く作業も大変かと思いますが、数多くのボランティアさんのご協力をお願いいたします。

南阿蘇村支援竹田ベースキャンプ82日目

7月18日、今日の南阿蘇村は朝から真っ青な青空が広がりました。

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センターには、45名のボランティアさん(うち竹田ベースキャンプからは27名)が来られ、田んぼの中の流木やがれきの撤去、家財道具の運び出しなど12件の活動に参加されました。早く活動を終えた方のなかには、少し休憩を取られて、新たな活動先や人数の足りていないところに応援に行かれる方もたくさんおられ、9件の活動が完了しました。
本会職員は昨日に引き続き、1名が資材班に、1名がローラー調査班に入り、活動しました。
資材の片付けをしていると、活動先から戻って来られた方が「福岡の嘉麻市の人でしょう?」と声をかけていただきました。その方は関東地方にお住いで、18歳まで筑豊地区で過ごされ、嘉麻市内の高校に通われていたそうです。九州を離れたあと、ほとんど帰ることもなくて、九州に少しでも恩返しができるかなと思って、竹田ベースキャンプに申し込んで参加した」と話されていました。嘉麻市にゆかりのある方と偶然会えたことに驚くとともに、ボランティアさん一人ひとりがいろいろな想いを持って参加されているのだなと思いました。
梅雨明けが発表され、これから厳しい暑さのなかでの活動となります。熱中症など、体調の管理に充分にご注意ください。

南阿蘇村支援竹田ベースキャンプ81日目

7月17日、南阿蘇村は未明から激しい雷雨となり、明け方には土砂災害警戒情報が発令されました。その後、雨脚は弱まったものの、午前中はシトシトと雨が降り続きました。
そのような悪天候の中でしたが、予定どおり2件のニーズに15名(うち竹田ベースキャンプから10名)が活動されました。

本会職員は1名がマッチング、資材班で資材の準備や整理などを行い、1名は栃木(とちのき)地区のローラー調査を行いました。
ローラー調査では、30軒のお宅を訪問し、そのうち13軒の方から話を伺うことができました。
そのなかでは、毎年東海大学の学生さんに協力してもらっていたブルーベリーの収穫ができずに困っている、屋根の雨もりを防ぐためのブルーシートを張ってほしい、地震で使用できなくなった家財を処分してほしいなど、様々な困りごとを伺い、センターに持ち帰り、その対応について調整しました。
また、お一人の方からは、地震後、なかなか情報が入らず、閉じこもりがちになっていること、近所のほとんどのかたが避難されていて寂しさを感じていることを語られ、訪問したことに対して、とても嬉しいと話されていました。情報発信と孤立を防ぐ取り組みが求められていることを感じました。

センターでは、午前中の活動を終えて、戻って来られたボランティアさんが、今日が活動最終日なので他に何かできる活動はないかと尋ねられ、活動で使用している軽トラック10台を1台1台きれいに洗ってくださいました。

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こうしたみなさんのさまざまな面での協力が、また明日からの活動につながっていくのだと思いました。本当にありがとうございます。

明日は晴れとの予報が出ており、竹田ベースキャンプからは36名が参加される予定です。

南阿蘇村支援竹田ベースキャンプ80日目

7月16日、朝から雨が降ったりやんだりのお天気でしたが、76名(竹田ベースキャンプは59名)のボランティアさん協力のもと、15件の活動を行うことができました(延べ106人)
ボランティアさんの、晴れ間を有効に活用したいとの気持ちが、ひしひしと伝わり、活動を終えてからもなお、センターで土のうの詰めなおし作業に励まれていました。
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熊本地震発生から3カ月が経過しましたが、地震に加えて大雨の影響で、新たなニーズも増えています。1日でも多く活動できるよう、雨が降らないことを祈るばかりです。

南阿蘇村支援竹田ベースキャンプ79日目

7月15日、昨夜は気温が下がり、肌寒さを感じる朝となりましたが、センターが始まる8時頃には、強い日差しが照りつけ、日中はとても暑くなりました。
金曜日はゴミ集積所が休みのため、仮設住宅への引っ越しや土砂の移動などに、延べ22名のボランティアさんが活動され、竹田ベースキャンプからは、先日から引き続き、岡山県にある自動車会社の方が7名でした。
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今日から、立野地区に通じる道路の規制が解除され、南阿蘇村の社協職員さんが様子を見に行きましたが、地盤が緩み、新たな土砂崩れが発生していたそうです。まだ活動できていないニーズに加えて、今後は、仮設住宅への引っ越しや土砂の撤去などのお手伝いが必要となるため、立野サテライトの早期再開が望まれます。
明日は、14件の活動を予定しており、ボランティアさん80名のお力が必要となりますので、ご協力をお願いします。

南阿蘇村支援竹田ベースキャンプ支援78日目

今日も南阿蘇村災害ボランティアセンターは、ボランティアさんの活動はありませんでした。私は、午後3時から竹田ベースキャンプ(旧荻所)で開催された「第5回南阿蘇支援ボランティア竹田ベースキャンプ運営委員会」に出席し、南阿蘇村ボランティアセンターの現状を説明しました。ボランティアセンター開設(4月20日)から7月13日までの活動者数は5,641人で、その内、竹田ベースキャンプを通じた活動者が1,591人に上ること、6月20日の大雨以降、土砂関連のニーズがあらたに加わったこと、今後、避難所から仮設住宅への引っ越しニーズがさらに出てくること、雨の日が多く、かつ、ボランティア活動者も減少してきているため、積み残されたニーズが88件もあること、派遣される運営スタッフも減員となりつつあることなどを説明しました。運営委員会では、このような現状を踏まえて、8月以降の南阿蘇村支援をどうするのかについて協議がなされました。方向性としては、竹田ベースキャンプは7月31日をもって一旦閉所するけれども、あらたなかたちで、8月以降も南阿蘇村を支援していくことが確認されました。明日は、雨も上がる見込みですので、多くのボランティアさんのご協力をお願いいたします。

南阿蘇村支援竹田ベースキャンプ77日目

今朝は南阿蘇村総務課が午前2時47分に配信した土砂災害警戒情報メールで飛び起きました。午前3時34分には村内全域に避難指示、避難勧告が発令され、その後は叩きつけるような強い雨音に、不安で眠ることができませんでした。朝礼がはじまる午前8時の段階でも、滝のような雨が激しく降っていました。ボランティアさんの活動は、今日の大雨を予想していましたのでありませんでした。そのため、今日は外出することもままならず、終日センター内で昨日のローラーの調査票の入力、まだ訪問できていない地区の地図作成等を行いました。明日は少し天気は回復する見込みですが、ボランティアさんの受け入れは中止となっています。

 

南阿蘇村支援竹田ベースキャンプ76日目

今日の、南阿蘇村は風は少し強かったですが久しぶりに雲の切れ間から青空が見える気持ちのよい朝をむかえました。ボランティアさんの活動は火曜日のためお休みでしたが、竹田ベースキャンプからは今日も岡山県にある自動車会社のラグビー部の7人が活動にこられローラー調査等に参加しました。この方々は今後も5泊6日のクールで竹田ベースキャンプを通じて活動に入るそうです。私はこの中の1人の方とペアを組み川後田地区にローラー調査に入りました。ここは過去にも大きな水害にあったことがある地区で防災無線で避難指示が何度も出るため、老親を自宅に連れて帰ることはいざというとき動けないので難しいとの話しがありました。また、この地区で毎月10日に開催される老人会の集まりには毎回参加してお喋りや食事、掃除を楽しんでいるとのことでした。避難している娘の家には誰も訪ねてこないので昼間だけでも畑仕事や片付けのために家に帰ると友達や知人が訪ねて来てくれるので、嬉しいとの話しもありました。今日のローラー調査を終えて今後の支援は分断されてしまった地域の繋がりをいかに保っていけるかが大切だと感じました。明日は大雨警報が発令されているため活動はありません。