[社協活動の再検証]「『私』の立ち位置を問う ~いま、社協の求められていること」というテーマの分科会3ですが、28日(日)、2日目は、1日目に引き続き講師の髙石伸人さんを交えて、日常業務を見つめ直す討論会を行いました。3名の話題提供者から、実践を通じて感じる疑問の提起があり、「私は」の一人称で意見を交換しました。
①担当者会議や専門職ネットワーク会議が、地域で暮らせないことの合意形成の場になっていないか②未だ出会えていない本当に支援を必要としている人とつながり、取り組んでいることについて③本人のニーズが社会のルールに反するとき、自己決定をどう尊重するか、支援者の価値観のおしつけについて この3つの話題について、参加者のみなさん日頃の業務で感じておられることを含め話いろんな意見を交わしました。
最後に、「社協活動の現在を問う視点」というテーマで、髙石さんが総括をされ、専門家ゆえのパターナリズムがあることを常に意識すること、支援という言葉が流行っているが、される側は切ないのではなかろうかという想いは留保しておいた方が良いこと。リスク社会と言われるように犯罪のリスクや貧困のリスクなど様々なリスクは避けられない現実だが、そのリスクは自分が負わないとは決して言いきれず、そのリスクをみんなで分け合うことを考えなければならないこと。エンパワメントとよく言われているがそれは自分のことは自分でしなきゃという強迫観念になっていないか、「弱くっていいんだよ」と私たちは言わなければならないのではないか。という問いかけをいただきました。個別事例のうしろには状況があり、近代化により何を失ってきたのかということは歴史からしっかりと学んでいかなければならないと話されました。そして、憲法改正がこのまま通れば、基本的人権はなくなるという社協で活動する私たちにとって、とても危機的な状況の中で、今、踏ん張らないといけない時であるということを言われました。
限られた時間であったため、全国のみなさんと十分な討論をすることができませんでしたが、私の立ち位置を問う中で、基本であり常に心において考え続けていかなければならないことをみなさんと共有することができ、有意義な分科会でした。
カテゴリー: 地域係
分科会3に参加して★①
私が参加した分科会3は、[社協活動の再検証] 「『私』の立ち位置を問う ~いま、社協に求められていること」というテーマでした。
27日(土)の1日目は、「筑豊から水俣・ハンセン病療養所へ」という演題で、NPO法人ちくほう共学舎「虫の家」事務局長の髙石伸人さんからお話を伺いました。
まず、筑豊というかつて炭鉱で栄えた地域について、高度経済成長で日本が右肩上がりになっていった時に切り捨てられた地域であること、そこから、炭鉱労働や被差別部落、海外移民など、今も筑豊には様々な傷口が残っていることの話がありました。改めて地域を見つめなおすことで、自分がどんな地域で社協活動をするのか、生活を送るのか、生きていくのかということを考えさせられ、まず歴史をきちんと学び、差別の構造、排除の仕組みについて意識をしなければならないと感じました。
そして、筑豊と水俣について、それぞれ、石炭、化学肥料という国の発展のために作り出される一方で、炭鉱労働者と漁民といわれた方たちに向けられた差別のまなざしがあったこと、プラスチック製品に囲まれて便利な生活を送っている私たちは水俣の人の犠牲の上に生活していること、そこに悪気があるわけではないが、そういう構造であることを話されました。そして、飯塚も水俣も企業城下町であり、強い力をもつ存在に病気の認定申請で立ち向かわれた患者さんのことについても触れられました。また、水俣病とハンセン病について、どちらも近代化が進められたために犠牲になった方たちであること、「最大多数の最大幸福」という、たくさんの人の幸せに少数の犠牲は仕方がないという考えがここに見えることを学び、自由や豊かさを手に入れた近代化によって奪われたものは何なのかという問いを投げかけられました。ハンセン病については、よかれと思ってまわりの人が「療養所に入ったら治るよ」と言葉をかけ、それによって地域で生活できなくなった方がいたことにも触れられ、自分の仕事を振り返りながら聴きました。また、沖縄の基地、福島の原発というように、辺境と呼ばれるようなところに危険なものを置くこの社会の構造についても指摘をされました。
最後に、髙石さんが出会われた、水俣病、ハンセン病の方たちの言葉から、地獄の中で人間として生きることを求め続けた方のことを話され、過酷であった事実を知るだけじゃやなく、そこにあった希望を知らなければならないと感じました。
社会のノイズとされる人がいるのは事実で、私たちはそこにどう橋をかけれるのか、壁の向こうに行かなければならない、『共に』、『誰もが』と言う社協職員の私は橋をかけるためにどこまで踏ん張れるかが問われていると思いました。
住民主体を考える上ではずせないたくさんの視点を学ぶとともに、自分はどこに立っているのか、立たないといけないのかと問い続けることが大切だと感じました。
「生活困窮者自力支援制度からみる『期待される社協』になるために」
第4分科会では、まず初めに個人ワークを行い、ポストイットに社協の強みや弱み、感想などを記入してグループでまとめ、社協として何ができるのか、何がしたいのかなどを話し合い、グループ毎に発表しました。
地域に出向き、出会っていない人と出会うこと、地域や関係機関とのつながりを広げていける強みをいかしていくこと、相談者の話をよく聞き、一緒に考える姿勢や相談者側の立ち位置に立って考えること。困り事から、足りないものを柔軟に作りだしていくことなど、たくさんの意見が出ました。
誰もが安心してというが、誰もがの中に生活困窮者が含まれているのかという問いかけに対して、自立相談支援事業を受託し困窮の問題を身近に感じている社協とそうでない社協では、感じ方の違いはありましたが、地域福祉活動を実践している社協だからこそ、強みを生かして取り組んでいけるんだということを改めて感じました。
分科会後は各分科会からの発表と、全体のまとめが行われました。
2日間を通して、熱い想いを持ったたくさんの社協職員と出会う事ができました。今回の学びや気づきを、明日からの業務にいかしていきたいと思います。
第18回 全国社会福祉協議会職員のつどい
今日と明日にかけて、福岡市立早良区市民センターと福岡県立ももち文化センターで、第18回全国社会福祉協議会職員のつどいが行われ、本会からは10名の職員が参加しています。
初日の今日は、「社協の自由解放!できるできる社協はできる」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
パネリストに長崎県社協事務局長の益本さん、滋賀県東近江市社協地域福祉課長の真弓さん、福岡県筑後市社協コミュニティワーカーの卜部さんが壇上し、大阪府立大学小野先生コーディネートのもと、それぞれの立場で社協が、自分自身がどうあるべきか、自由であることによって創発的な取り組みができるがそれは可能なのか。自由から存在感をどのように満たせるのか。何にこだわり、何がポイントになるのかについてディスカッションされました。
卜部さんは職員の立場から、様々な方との出会いを通して、自分がやりたいと思ったことから始めた取り組みを話され、その支援を通して新たなニーズや地域に取り残されている課題に気づいたこと、社協職員としての想いについて話されました。
眞弓さんは、管理職の立場から、社協が活動できるように、住民に説明していくことや人育てを通して地域福祉の実践をしていること。組織の中で与えられている役割を通して、管理職になろうがコミュニティソーシャルワーカーであるという気持ちで、社協活動に取り組んでいると話されました。
益本さんは、県社協としての立場から、市町村社協が自由にあるために、県社協がどうあるべきか、こんな社協はいいねという視点から県社協に求められていること。また、都道府県社協と市町村社協が共同して社協のあり方を追求し、社協の存在価値を地域社会に示していくべき時である。自由であることは好き勝手とは違う。地域のニーズに素早く柔軟に対応していくこと、成熟した組織になれば自由になれる組織秩序と明確なミッションが必要だと話されました。
立場は違えど、社協職員としてどうあるべきかをご自身に問いかけながら、社協活動に取り組んでおられ、大きな刺激を受けることができました。
その後の分科会では、本会職員も4つの分科会に分かれ参加しました。
第4分科会では、生活困窮者自立支援制度からみる「期待される社協になるために」をテーマに、福岡県家計相談支援事務所(グリーンコープ生協ふくおか) 家計相談支援員 北島さん、NPO法人 抱樸 山田さん、北九州市社協地域福祉部地域支援課南里さんから実践報告とそれぞれの現状と課題や社協に対して感じていること、思っていることを聞きました。
かま自立相談支援事業では、来年度から家計相談支援や無料職業紹介事業に取り組む準備を進めています。相談者が自立していく過程で、家計や就労の問題を解決することはもちろんのこと、相談してもらえる関係をつくること、生活を見守り、サポートしてくれる人たちを地域で作っていくことが大切と感じました。
明日はグループワークを行い、生活困窮者制度を通して社協として何ができるのかなどを話し合います。全国の社協職員とのつながりを深め、しっかり学んでいきたいと思います。
災害ボランティアセンター
午後1時から第18回かまボランティア・市民活動センター運営委員会を、午後3時から災害ボランティアネットワーク連絡会を開催し、昨年8月25日の台風15号の被害への災害ボランティアセンターの活動報告と、来月5日に開催予定の災害ボランティアセンター設置運営訓練の内容について協議していただきました。
運営委員会の中では、台風15号の被害が出たときに、センターがどのような活動をしたのか知らなかった。被災された市民の方、また協力してもらえる方にいかに情報を届けるかが大切であり、協力してくれそうな団体等については、リストアップしておき、メーリングリストなどで情報を発信していけば、学校や福祉施設などそれぞれができることを考えて協力体制を作れるのではないかといった意見や災害ボランティアセンターを社協が運営していることを知らない人が多いので、訓練の時など日ごろからもっとアピールしていったほうが良いのではないかといった意見もいただきました。
その後の災害ボランティアネットワーク連絡会には、市防災対策課、生涯学習課、嘉麻市商工会、嘉麻・桂川シルバー人材センター、市内の高校、福岡県精神保健福祉士協会などから10名の方にご参加いただきました。その中では、災害ボランティアセンターを運営していく中では、地元の人ではないと担えない役割があり、訓練を行っていく中でそうしたセンターの中の役割について、みんなで理解を深めていくことが必要だと思うといった意見や市担当課と情報を共有していくためにも、災害が発生する前から連絡を密に取っておく必要があること、また訓練のことを持ち帰って職員に伝えて、参加し、自分たちにできることを考えていきたいといった意見もいただきました。
日ごろからの顔の見える関係づくりを広げていくこと、そしてその関係を災害が発生した時にどのように生かしていくのかを考えていかなければならないと感じました。
今回の会議でみなさんからいただいた貴重な意見をこれからの活動に生かしていきたいと思います。
業務システム説明会
今日は、福岡県社会福祉協議会で開催された、平成27年度福岡県日常生活自立支援事業業務支援システム説明会に出席しました。
株式会社ヴィンテージの只友裕也さんから、日常生活自立支援事業システム「らいと」の操作説明を受けました。基幹社協の事務をできるだけスムーズにするために、4月から運用することとなります。今日は詳しい入力、出力の方法等を勉強することができました。3月から試用期間となるので、少しずつ慣れていきたいと思います(^O^)
福智町社協から視察に
今日は、福智町社協の職員さんが、本会が行っている「地域支えあい事業」の視察に来られました。
「地域支えあい事業」とは、日常生活の中で、自分や家族だけでは解決できない困りごとを抱えている方々に対して、協力会員として登録した市民が必要なサービスを提供し、その解決を図るものです。
困ったときはお互い様の気持ちを広げていくことを目的にしています。
サービスを利用する人も、提供する人も同じ住民同士。助けあいの気持ちを広げて、誰もが住み慣れた地域で安心し暮らせるまちづくりを進めていこうと考えています。
ちょっとした困りごとの相談が寄せられたことがきっかけとなり、この事業が始まっていったことや、事業を進めていく中で、様々な地域ニーズに出会っていることを説明させていただきました。
福智町でもこの取り組みを進めていく準備をされているとのことで、たくさんの質問がありました。
今回の視察研修を受けるにあたり、改めて平成19年度からの取り組みを振り返ることができました。
また、この事業を通じて、困りごとを抱えたたくさんの方たちと出会うことができたことを感じることもでき、有意義な時間となりました。
第3期 市民後見人養成講座 基礎編 最終日
今日は、稲築住民センターにて第3期市民後見人養成講座12日目を開催しました。
これまでの研修の振り返りとして、本会 かま権利擁護センターセンター長 木山が講義をしました。はじめに、ジェノグラムやエコマップといった相談援助の技法について復習しました。家庭内や周囲の環境を図式化し視覚的に捉えられるよう整理することで、どんなつながりがあるのか、これからどんな人や機関とつながることが必要なのかを考えるツールの一つだと説明がありました。
その後、人を援助・支援する3つの要素である知識・技術・価値について話がありました。価値とはその人の知識や経験、体験によりつくられ、価値観は人によって違うことが前提であること。信頼関係をつくるにはまず相手の価値を受け入れ、そのために自分の価値観を知る自己覚知が大事だと学びました。
グループワークでは、2つ見え方のある絵を見て、どのように見えているのか、どう見ればもう一つの絵が見えるか話し合いました。その中で、自分の価値観が正しいとは限らないことや相手がどのように感じているかは分からないこと、どこの視点から見るかによって見方は変わること、また、置かれている環境によって真実とは異なることがあるということなどを学びました。最後に、ある出来事に対する結果は全て同じではなく本人の感じ方により変わり、本人がどう感じていたかを気づけるように支援するということについて話がありました。講義を受けて、相手に自分の考えを押しつけないために、自分がどういう考え方をしているのかや物事の受け止め方に偏りがないか自己覚知していき、自分のものの見方や感じかたは本人とは違うことを前提に物事を考えることが大切だと感じました。
閉講式では、嘉麻市保健福祉部高齢者介護課課長の池田巖さんからご挨拶をいただき、15名の受講者が本会の村上会長から、修了証を受け取られました。
来年度はフォローアップ講座を予定していますので、よろしくお願いいたします。
受講者のみなさま、長い期間お疲れさまでした。
出前講座のご案内
嘉麻市社協では、地域に出向いて、いろいろなお話をする出前講座を実施しています。詳細は下記の通りです。お気軽にお声かけ下さい(^^)
【講座の内容】
●社協って何しようと?
嘉麻市社協がどんなことをしているか詳しく説明します
●いつまでも住み慣れた地域で暮らしたい
誰もが排除されず、その人らしく生き生きをした生活を営むことができる地域づくりをみなさんと一緒に考えます
●かまこさんのお悩み解決
電子紙芝居で成年後見制度について話します
●ふれあい・いきいきサロンって楽しいよ
サロンや地域福祉部について話します
●災害に強いまちづくり
災害時に助け合えるようなマップづくりや災害ボランティアセンターについてお話します
●映画上映会
昔懐かしい映画のDVDと機器の貸し出しをしています
【講座開催日時等】
・平日以外でも受付しています
・時間は、30分コース・60分コースがあります
・料金は無料です
【申し込み先】
嘉麻市社会福祉協議会 0948-52-0751
子ども駅伝と観梅
今日は、天気に恵まれ、市内で行われたイベントは、たくさんの人で賑わっていました。
山田学習館周辺では、楽しく走ろうふくおか子ども駅伝In嘉麻が開催されました。
この大会は今年で26回目を迎えます。毎年実行委員会のみなさんがこの日に向けて準備を重ね、当日はコースの安全確保や場内の清掃活動、テントの設営、撤去など様々な役割をボランティアの皆さんが担われています。
コース沿いには、家族やチームメイトなどたくさんの人が集まり、ランナーへ熱い声援を送られていました。
また、下山田の大砲白馬山梅林公園は、観梅期間(2月14日~3月13日)を迎えています。
花はまだ見ごろには少し早いようですが、大法白馬山観光協会の方々の売店では、観梅に来られた方がお茶やうどん、餠などを買い求められていました。
協会の方に話を伺うと、「昨年から行われていた整備工事も終わって、園内を散策しやすくなったので、たくさんの人に梅を見に来てもらいたい」と話されていました。